松阪牛の歴史は、ある意味、日本の食肉文化の歴史

国産和牛といえば、多くの人に真っ先に思い浮かぶであろう「松阪牛」。

松阪牛の歴史を紐解いてみると、時代は日本の食肉文化がスタートした時代、明治時代まで遡ります…、つまり松阪牛の歴史は日本の食肉文化の歴史でもあるのです。

松阪牛の始まりは、但馬地方で飼育されていた農耕用の雌牛が、日本でも食肉が一般化した明治時代に食肉用として飼育されるようになったのが最初。

その後、1935年の全国肉用牛畜産博覧会で松阪牛が名誉賞を受賞し、その名は瞬く間に全国に知れ渡るようになりました。

現在のように松阪肉牛共進会が開催されるようになったのは戦後のことで、品評会に出される牛の品質は年々上がり続け…、松阪牛は日本のブランド肉として知らぬ人のいない存在となりました。

しかも、当時「松阪牛」として認定されていたのは日本食肉格付協会の枝肉格付けでは、A5、B5とランクされるまさに最上級品質の牛肉だけでした。

つまり、松阪牛は名実ともに、日本を代表するブランド牛だったわけです。

「だったわけです」と書いたのは…、実は現在ではこの決まりが変更されているのです。

2002年以降は、枝肉格付の条件が外されたため、現在ではA5、B5以外の牛肉、つまり肉質の劣るものであっても、松阪牛と認定されるようになったのです…。

もちろん、昔ながらの最上級の松阪牛は今でも流通していますが、その流通量は松阪牛の全出荷量の6%だと言われています。

ある意味、松阪牛は一般庶民にとっても親しみやすい存在になったのかもしれませんが、昔ながらの最上級の松阪牛となると…、今も昔も庶民には手が届かない存在のようです…。